やしお

ふつうの会社員の日記です。

2018-12-30から1日間の記事一覧

山内昌之『イスラームと国際政治』

https://bookmeter.com/reviews/77454839 中東だけでなく、アジア・アフリカのイスラム国家や、アメリカのブラックムスリム(黒人のイスラム教徒)も解説されている。雑誌連載をまとめたもので、全体で大きな解説というより各トピックに関して歴史的な経緯や…

堀栄三『大本営参謀の情報戦記』

https://bookmeter.com/reviews/77454786 太平洋戦争中に大本営の情報参謀になった著者の、主に太平洋戦争に関する回顧録になっている。太平洋上に点在する島々を攻略することの意味や、制空権というものがどういう意味を持つのか、アメリカ軍と日本軍の戦略…

五百蔵容『砕かれたハリルホジッチ・プラン』

https://bookmeter.com/reviews/77451348 少ないルールや制約から出発してこんな複雑な戦略や戦術が導出されて実際そんな戦いが起こっている、みたいな話は、将棋でもサッカーでも読んでて興奮する。(将棋も)サッカーも見ないしやらないから正確に理解でき…

桐野夏生『メタボラ(下)』

https://bookmeter.com/reviews/77451251 主人公が二人のお話だけど、生気を徹底的に奪われた人がもう一度生き直す話と、生気に満ち溢れていた人がふいに奪われてしまう話とが、お互いがお互いをきっかけにして起動している、そんな物語になっている。「生き…

桐野夏生『メタボラ(上)』

https://bookmeter.com/reviews/77451130 桐野夏生を読んでいて気持ちいいのは、がちがちにプロットが構築されているわけじゃなくて、行き当たりばったりで出来ているというか、視点人物がある状況や人物にぽんと出会って、それに対処していくんだけど、その…

酒井啓子『9.11後の現代史』

https://bookmeter.com/reviews/77454818 9.11後のアフガン戦争、イラク戦争、アラブの春、ISやシリア内戦がどう推移したのかと、それらが第二次大戦後のどういう経緯で発生しているのかという背景を整理して解説してくれるありがたい本。WW2後イスラエルが…

本田和子『異文化としての子ども』

https://bookmeter.com/reviews/77451078 現実の子供の生態やメカニズムを解説するものではなくて、子供と大人を分けるものとは何か、大人が「子供」という枠組みで子供を見るというのはどういう機序で起こるのか、という話だった。大人にとって「整合性があ…

金井美恵子『岸辺のない海』

https://bookmeter.com/reviews/77450874 金井美恵子の小説は、具体的な生活や会話や人間が詳細に描かれていく側面が大きい作品と、書かれることへの意識が持続的に呼び覚まされるような側面が大きい作品とがあってどっちも好きなんだけど(でも例えば『ピー…