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てっきり、能のあらゆる要素を語りに語って、ワキに関する認識が驚きの地点に到達するのかと思っていたら、そうではなくて本書は広く浅くスタイル。能にこだわらず神話、小説、俳諧、旅行、現代社会等々のワキっぽい部分を取り出してご紹介。現象を理論に隷属させるやり方は(自分とその理論の相対的な位置関係=びっくり具合によるものの)貧しく見えてあまりワクワクはしませんが、能の物語の類型、ワキという存在の類型、その他概念を知られてよかった。今後何か物語を目にしたときそんな視点でも見られるかもしれないと思えばうれしいです。
- 作者: 安田登
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 単行本
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