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女に去られる才能をゴダールが持つ、というアイデアを大島渚から借りて、借りただけ、という本。だって女を5人並べてそのエピソードと映画の粗筋を紹介するだけなんだもん。紹介も、それこそそのアイデアと通底する部分を徹底して見せてくれれば面白いのに、本当に常識的な説明だから退屈。しかもすぐ意外性も裏付けもない断言を大仰にするからうんざり。(例えばp.71の油絵と鉛筆デッサンの比喩。こんなタルい比喩を映画のほとんどを無視して適用する無神経さ。)自分にとって初めての犬彦だったのに、こんな仕事見せられちゃ最後の犬彦だ。
とか言いつつ、本棚には四方田犬彦の『漫画原論』が未読のままある。定価で買ってしまってもったいないのでたぶん読むけれど気が重い。実は『ゴダールと女たち』はすごく手を抜いて適当に書いていて『漫画原論』はちゃんと面白い、とかだったらいいな、と思うもののまずそんなことないだろうな。
ちゃんとした人だったら、力を抜くことはあっても、手を抜くことは自分に許せないはずだろうしね。
- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/18
- メディア: 新書
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