http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22204121
忘れることの話あれこれ。ある種の体系は、何かを忘れることで成立するという。例えば貨幣の神秘性を忘れて、それを所与のものと見做すことで古典経済学が成立する。そしてマルクスはまさにそこを問題にしたのだという。他にもウィトゲンシュタインの外国人、デカルトの神、ソシュールの聴く主体、キルケゴールのキリスト等々、忘れられたものを見過ごさなかった人達(とどう読み過ごされてきたか)の話。「日本近代文学の起源」もそうだったけど、この忘れることへの批判というのは、一つは公理の選択の浅さへの批判ってことになるのかなと思った。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/03/05
- メディア: 文庫
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