やしお

ふつうの会社員の日記です。

ジェイン・オースティン『分別と多感』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32615380

姉が分別、妹が多感担当で二人の恋愛が成就するのかって話なのに、しないまま残りページが少なくなってきて、姉妹が「やっぱり分別が大切なのよね」とか長大な会話を始めたりして(このまま終わる気か……?)と不安になったところで最後に大逆転劇。ただ結婚しただけじゃなく、なんと姉が多感、妹が分別と担当が逆転する。しかもそれを性格でなく状況で実現する。幸福のサスペンス。オースティンは形式的な面をはじめ小説特有の悦びを与えてはくれないけど、大量の変人も正確な金勘定も出てきてひたすら読んでて可笑しいし、それで十分すばらしい。

分別と多感 (ちくま文庫)

分別と多感 (ちくま文庫)