やしお

ふつうの会社員の日記です。

マンガの臭いがする

 アニメ見てて、「黒子のバスケ」からはジャンプ臭が、「弱虫ペダル」からはチャンピオン臭がちゃんとするっていうのがいいなあと思って。原作見てないしマンガ自体ほとんど読まないくせに何言ってんのってところあるけど、そんな素人(?)でもジャンプ臭、チャンピオン臭が嗅げるというのは幸せなことだ。
 「黒子のバスケ」はみんな現実離れした技を持ってて「奇跡の世代」とか「無冠の五将」とかいうワードが出てきたりどんどん能力のインフレが進んでくところがジャンプっぽいし、「弱虫ペダル」は現実からの乖離度がジャンプほど強くなくてもやっぱり異名があって個性が強調されていてやたら熱いところがチャンピオンっぽい気がする。


 昔は映画にも会社のカラーというものがあったそうで、映画を見て松竹っぽい、東映っぽい、というのがはっきりわかったらしい。例えば東映の映画を松竹の館で流せば相当な違和感を覚えるという。今ぼくらが映画を見ても、○○監督らしいな、とは思っても別に会社のカラーは感じない。
 ハリウッドとそれに遅れて日本のスタジオシステム、会社が役者や監督やスタッフを抱え込んで映画を量産していた仕組みが崩壊してからは、そういうものは消えてしまった。テレビの台頭その他でそうしたシステムを維持できなくなったからだ。日本でいうと会社の臭いがかろうじて残っていたのは、およそ「男はつらいよ」(松竹)までらしい。


 この先、もしマンガ雑誌が崩壊して、編集者はつかずにただ流通させるだけの会社になったら、あのジャンプ臭、チャンピオン臭とかは消えてくんだろうな。作者の臭いしかしなくなる。
 崩壊するというのは単純に、産業としてそこまでのパワーを維持できなくなる、消費者を大量に集められなくなったということだけど、マンガはまだしばらく先なのかな。
 むしろテレビの方が早いんだろうか。バラエティ番組の雰囲気も、日テレっぽい、フジっぽいっていうのがあったけど、先にそういうのが消えていったりするんだろうか。制作会社のカラーだけが残って、どの局の番組かは関係なくなる、制作会社が作った番組を局はただ流通させるだけなんて未来はあり得るんだろうか。それとも、臭いはひょっとしてもう消えつつあったりするのかな。最近バラエティ番組をめっきり見なくなったのでよくわからない。