やしお

ふつうの会社員の日記です。

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄(上)』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/39973614

地理的な条件のみで、個別に仮定(文化的な差、人種の差といった線引き)を持ち出さなくても、マクロに歴史を記述できるという実例。作者はたぶん自覚的だけど、あまりに説得的な内容で書かれているので読み手の方は、これを可能な物語ではなく排他的な事実と見なしちゃう人もいるんだろうなと思うと、それってちょうど免疫のない人々が疫病で駆逐される話とパラレルだなと思って楽しくなる。マクロな物語がミクロな事実に脅かされずに安定している構造が退屈だとしても、こうした構築をきちんとやってくれる人がいるのは大切だしありがたいことだ。