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過去のイギリス社会の制度が紹介され、システムが安定する別の形態を垣間見れて面白い。著者は一国の歴史ではなく世界システム論として見る重要性をたびたび説くが、本書がその実践になっているとは思えない。なぜイギリスがヘゲモニーを握り、手放したのかという問いに、歴史的な経緯や他国の状況から説明してシステム論が事足りるとは思えない。所与の条件を減らし(意識的にカッコに入れ)、一見異なる別の事象の構造的な類似を提示したり転倒するような運動によってはじめて、システム論の名に値するが、本書でそうした悦びは与えられなかった。
- 作者: 川北稔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 新書
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