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「意味の変容」はとにかくびっくりした。こんなの日本語で既に作られてたのか。比喩が比喩に留まらない、説明のための存在を越えて、必要性を備えてぴったりそこに存在するって相当珍しいしすごい。ふつう論理と例証を並べると、説明するもの-されるものの従属関係がどうしても生じるけどそれがまるでない。職業経験がシステム論に昇華されても、なお経験であり続ける。しかもそれが一回きりじゃなく連作短編みたいな形式で繰り返し・変奏されて見せられる。こういうの突きつけられると、エッセイと小説、実話と創作なんて区別がまるで無化される。
「マンダラ紀行」の方はよくわからなかった。基礎的な仏教知識がやっぱり足りない。
- 作者: 森敦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/01/11
- メディア: 文庫
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