やしお

ふつうの会社員の日記です。

森敦『意味の変容・マンダラ紀行』

http://bookmeter.com/cmt/43600977

「意味の変容」はとにかくびっくりした。こんなの日本語で既に作られてたのか。比喩が比喩に留まらない、説明のための存在を越えて、必要性を備えてぴったりそこに存在するって相当珍しいしすごい。ふつう論理と例証を並べると、説明するもの-されるものの従属関係がどうしても生じるけどそれがまるでない。職業経験がシステム論に昇華されても、なお経験であり続ける。しかもそれが一回きりじゃなく連作短編みたいな形式で繰り返し・変奏されて見せられる。こういうの突きつけられると、エッセイと小説、実話と創作なんて区別がまるで無化される。


「マンダラ紀行」の方はよくわからなかった。基礎的な仏教知識がやっぱり足りない。


意味の変容・マンダラ紀行 (講談社文芸文庫)

意味の変容・マンダラ紀行 (講談社文芸文庫)