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ドゥルーズがニーチェのこと整理しときましたみたいな本。後半ニーチェ作品に現れる比喩(鷲とか蛇とか)がどんな人間の発展段階や逸れ方を類型化しているのかをまとめてくれててありがたいし、続く選集はニーチェの著作から横断的にテクストを引っ張ってきてテーマごとに並べ直してくれてるから、そのまま読むと比喩だらけで(一体これは何の話をしてるんだ)と迷子になるお話も、(そうかこの話をしてんのか)とイメージしやすい。読んでてずっと、じゃあ自分はニーチェ側から見るとどう批判される存在なんだろうという意識を突き付けられ続ける。
ニーチェが誤読に対する訂正、補足を書いているのを見ながら、たとえば自分程度ですら、そんなに難しいことを書いたつもりもないし、かなり丁寧に説明したつもりなのに、まるっきり書いてもいないことを勝手に読み取ってそれに基づいて称賛されたり批難されたりすると本当にぐったりするけど、ニーチェレベルだとはるかに大規模に誤読されてそっちが主に流通していくんだろうな、(もうだれも理解してくれないんじゃないのか)としか思えなくなりそうだな、と思って勝手にしんどくなってる。
- 作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,湯浅博雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/05/01
- メディア: 文庫
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