やしお

ふつうの会社員の日記です。

大西巨人『神聖喜劇(三)』

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フィクションが現実の出来事とどう戯れるかを見るのが楽しい。例えば2巻の解説者阿部和重なら正確な日付を軸にして触れ合うし、この神聖喜劇は引用を介して触れ合っていく。過去の他者の作品を自分の作品に招来すると必然的に、現に存在している作品群に対する立ち上がりつつあるこの作品の位置へと意識を向かわせるけど、どう見せてくれるのかなと思ってたところへ、視点人物から離して(東堂←生源寺←植村)提示した作中作(短歌)を現実の作品(斎藤茂吉作)と並べるという、ここまで一貫してきた引用という方法で取り結んできたから感動した。

神聖喜劇 (第3巻) (光文社文庫)

神聖喜劇 (第3巻) (光文社文庫)