やしお

ふつうの会社員の日記です。

矢作俊彦『リンゴォ・キッドの休日』

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収録2作とも、二村刑事が朝から夜中までの間で三浦半島周辺だけを動いてピースを集め、最後にパズルが完成してあっけない絵が浮かび上がるって話。こういう舞台や時間の制約をかけるとだらしなくならずに魅力的。敗戦から30年でまだ完全な過去になってない、アメリカの軍港がどんとある横須賀で、アメリカ人への微妙な意識や、ドブ板がまだ本当にドブ板で、湘南や鎌倉に対する横須賀側の微妙な劣等感や反発、といった雰囲気を背景にするのは今だともう難しい。横須賀に限らず日本全国でもう土地がのっぺりしてて今そういうのを入れるのが難しい。