やしお

ふつうの会社員の日記です。

市村佑一、大石慎三郎『鎖国 ゆるやかな情報革命』

http://bookmeter.com/cmt/62947509

江戸時代の鎖国を、海外に対して受信のみ発信なしの中央独占型の情報体制、という捉え方をする。前期が鎖国体制の構築、中期が洗練、後期が崩壊で、詳しく見せてくれる。構築段階でオランダ・イギリス・スペイン・ポルトガルの欧州4か国から最終的にオランダ一本に絞られる過程や、洗練段階で翻訳者の養成や、中国とオランダからの定期レポートをメインに、漂流帰還者からのヒアリングで補足、実用技術は専門家に公開といった仕組や、崩壊過程でロシアの脅威やアヘン戦争の衝撃から諸藩が独自ルートで情報を入手していく姿なんかが見られて楽しい。

鎖国 ゆるやかな情報革命 (講談社現代新書―新書・江戸時代)

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