https://bookmeter.com/reviews/63402530
日本社会は最小単位が個人ではなく小集団(家や課)、という仮定で、個人の心情や行動(グループ内での甘え、仕事仲間と家族の境界の曖昧さ等)や集団間の動き(意思決定や競争等)の現象を記述する。本人は理論構築と言うけど、著書を3冊読んだ限り、仮定から論理的に帰結を導いて体系を構築するという感覚が恐らく欠けていて、また「なぜそうであるのか」という歴史的な問いを一切捨象している(付録で「単一民族だからだ」とだけ言う)。なので柄谷行人や宮崎学などが示す社会構造を基に、中根千枝は現象面だけ再利用するのが良いかもしれない。
- 作者: 中根千枝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/13
- メディア: 文庫
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