三枝匡『ザ・会社改造』

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日本企業の弱体化は、欧米がトヨタ生産方式の根本精神を生産面のみならず企業活動全域に適用して必死で具現化していた間にぼんやりしていたからだ、といった指摘が印象的で、その『トヨタ生産方式』の原典を読むとフォード式から出発している。徹底的に考え抜いた手法を現実化させて一人勝ちする→慢心→他がそれを敷衍・深化させて逆転→慢心、というサイクルを例えば日本とアメリカの間で繰り返しているのかもしれない。本来の企業経営が戦略論と組織論を自力で組み立てながら現実に展開する営みだという姿を具体的に見せてくれる本だった。