やしお

ふつうの会社員の日記です。

首相答弁っぽい桃太郎

 で、そもそも。そもそもですね、どんぶらこなんです。桃が、あー、流れてきたわけであります。確かに私は流れてきたと。こう、おー、申し上げているわけですよ。それを、それを、おばあさんが拾ったと。あの、今、ははっ、いいですか。よく私の話を聞いてください。ヤジで、はっ、今後ろから「おじいさんはどうした」というヤジがございましたが、関係ないじゃないですか。まあ桃が、えー桃という形でですね流れてきたわけであります。
 このことはですね、既に何回も私から、このいわば桃がどんぶらこと流れてきた、その趣旨について既に説明をさせていただいているわけでありまして、今申し上げたこととまさに趣旨は同じであるということでありました。


 そして鬼、鬼ヶ島の問題につきましてはですね。まさにこれはあのー、もう既に何回も申し上げておりますように、交戦はなかったと、戦闘はなかった、こういう報告がなされているわけであります。つまり、つまりですよ、これは大切なことですからよく聞いていただきたいと思います。桃太郎氏がですね、鬼と交戦した事実はないのでありまして、鬼ヶ島はまさしく、これはまさしく非戦闘地域であったということであります。今笑われましたがね、私が今誠意を持ってお話しているわけですから、今私はファクトを申し上げているわけであります。
 ここでですね、私の意向というのは入りようがないというわけであります。そうじゃないですか。もし、もしですよ、私が、私の意向で、戦闘はなかったという報告を私が、あの、何か皆さん方はですねえ、どうも戦闘があったと。鬼ヶ島で戦闘があったということありきでお話しされている。なにか、イメージ操作でですね、なにか、私が鬼ヶ島での戦闘をなかったことにしようとしているかの如くおっしゃられるのはもう、これは読者的にもですね、必ずしもそれはそうではないという風に、そう思って頂けているのではないかと。
 まあ今言われた、鬼ヶ島の問題においてはですね、ですから、問題の核心は何かということを、えー、お考えになった方が、これはよろしいのではないかと、私は思うわけでありますが、いずれにせよですね、え、これは、関係ないということであります。


 あの、ですから、今「桃太郎が戦わなかったのに鬼がいなくなったのはおかしい」とおっしゃったけど、これはもう、印象操作ですよ。桃太郎氏が、氏がですね、皆さん、ヤジはですね、私誠意を持って、ヤジはやめてください。読者の皆さん、こうやってね、私がお話しようとすると、ヤジで妨害するんですよ。それはぜひ、ぜひやめていただきたい。時間がないんですから、もうヤジるのはやめましょうよ。お互いに。そこでですね、お答えをしますが、そもそもですよ。そもそも私は立場にないわけです。お答えする立場にないわけですよ。
 まずですね、まず、私は再々述べておりますように、まあここはあの、まさに、今ここに私がおりますのは『桃太郎』の語り手としてでありますので、この桃についてあるいは桃太郎氏についてあるいは氏の顛末についてお話しする義務は負っているわけでございますが、鬼がですね、なぜ鬼が鬼ヶ島から立ち退いたかというお話をする立場には、これはないわけであります。で、いつもこれはあえて申し上げればということを申し上げているところではございますし、立場にないということはお断りしていますが、鬼が、それは鬼の意思でですね、立ち去ったと。
 いいじゃないですか、鬼が、それはあなた。じゃああなたは分かるんですか? はあ、あのですねえ、ははっ、私はそもそもですね、この場には語り手として立っておりますから立場にはないということは再三申し上げているじゃないですか。だけど答えろと言うからあえて、そこまではお答えさせていただいているわけでありまして、今ヤジがございましたがそれは非常に外野の方がですね、そういうヤジを飛ばしておりますがそれは全く私の物語を、物語を聞いていないものではないのかなあと、こう思うところでございます。


 私がですね、私が、きびだんごを、きびだんごの授受を隠蔽したというような、そういう風なことを言われるのはこれは、おかしいわけですよ。あたかも、あたかもですよ、「きびだんごを受け取ったから犬あるいは猿あるいは雉がお供をした」とそういう風におっしゃる。しかしですね、お供をしたというのはそれは、きびだんごの授受がなかったとしてもそれは、至極、至極当然のことであって、きびだんごがあるからお供、誰が考えたって、後ろから「分かってない」とか言う人がありますが、分かってないと言う人が分かってないんですよ。これ、本当に申し訳ない、分かってないと言うのが分かっていないんであってですね。いわば桃太郎氏への信頼があるからお供していたわけであって、それをですね、きびだんごを貰っていたら、きびだんごを貰っていたら、信頼がですよ、いわば信頼ということであれば、そうなるわけであります。
 それと隠蔽というのはですね、これは失礼ですよ。で、あなた達はすぐにそうやって、レッテル張りをしようとしている。このきびだんごの問題についてもですね、まるで、まるで私が隠蔽しているがごとく、ずーっとそういうですね、えー、イメージ操作を延々と繰り返していますが、皆さんそれが得意だし、それしかないのかもしれない。それしか、ま、ないのかもしれませんが、隠蔽というのはですね、隠蔽というのは、隠蔽というのはじゃあ、私が隠蔽したんですか?
 もしですよ、もしそこに、桃太郎氏が犬達に授受を、きびだんごの授受があれば、私は語り手ですよ。語るわけじゃないですか。こんなことが分かんないんですか? きびだんごの授受があったということであれば、これはもう、まさにこれはもう私は語り手をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。


 まあ今きびだんごのことを言われた、『桃太郎』の本質とはそういうことなんでしょうか? この『桃太郎』の本質というのはそうではなかったはずであります。まず鬼ヶ島から一掃されたということ、鬼がですね、えー、桃太郎氏の登場によって鬼が立ち去ったということの本質、で、ございます。
 鬼ヶ島が、数百年に渡ってですね、鬼がいたということ。桃太郎氏が出てくる前ですよ。これは大きな問題だったわけであります。そしてこの問題についてですね、この問題についてはまさに様々なこれ試みがあったわけであります。具体的に言えば住民達による大変な、これは大変な鬼と鬼ヶ島に対する働きかけがあったのは事実であります。そういう中において、なかなかこれ実現できなかった。そして実際に桃太郎氏が登場してですね、これは、鬼が立ち去ったわけでございまして、まさにこれは『桃太郎』のですね、まさに本質ではないか、そう思うわけであります。まず鬼ヶ島をですね、突破していくというのはね、いかに困難な課題であるかというのは、皆さんもよくご承知の通りなんだろうと思いますよ。
 そこで氏が、あ、今「どうして鬼が出ていったんだ」ということをヤジで仰った、これはまさに、そこが問題であるんであれば、その具体的なですね、桃太郎氏と鬼のやり取りについて、具体的にですね、具体的に、再三これは、再三申し上げているじゃないですか。ですから立場にないと。まだ今、答えていないと、こちらからも答えていないと、おられましたから。どこが答えていないんですか? ですから何が、何が本質であるかということをですね、お答えをしているわけであって、何が問題になっているかということについては、いわば、氏が鬼とのやり取りと、ですね、そしてですね、まだきびだんごの問題があるという。それをですね、そうでないということにおいては、ま、具体的に批判して頂きたいと思います。


 だってそうじゃないですか。氏が戦っていないことが明らかで、鬼が去ったのはおかしいと、これはあなた達がそうおっしゃったんじゃないですか。そうであれば、これは鬼ヶ島、鬼が自分の意思で、島から立ち去ったと、こう考えるのが筋じゃないですか。いいですか、しかしですよ、これは、これは、私はあえて申し上げているということをですね、申し上げているということであります。