やしお

ふつうの会社員の日記です。

田中幾太郎『三菱財閥 最強の秘密』

https://bookmeter.com/reviews/73566297

タイトルが週刊誌っぽいというか陰謀論っぽいけど、内容は三菱系企業が定例の社長・会長の懇親会を通じて現実的にどういう影響を及ぼし合っているのかという話だった。資本関係もないのに、設立のルーツが岩崎家・三菱につながっているというだけの大企業が30社近く集まって、企業ガバナンスで怒られない範囲で協力し合って、しかも各経営者は直接財閥時代を経験してもいないのに「自分は三菱の一員」というアイデンティティを保持しているというのは、珍しい現象だという気もする。


 金曜会それ自体は基本的に懇親会で、別にあやしいこともしてないけど、そうした場で経営者間の面識を作っているし、常設の事務局があって常務なり総務部長クラスなりが集まっているのでそこでもお互いの面識ができる、そうしたネットワークを通じて「何かあった時」に相談しているし、「お伺いを立てる」「根回しをする」といった行動が生まれてくる、そんな感じなのかもしれない。

三菱財閥 最強の秘密 (宝島社新書)

三菱財閥 最強の秘密 (宝島社新書)