やしお

ふつうの会社員の日記です。

桐野夏生『メタボラ(下)』

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主人公が二人のお話だけど、生気を徹底的に奪われた人がもう一度生き直す話と、生気に満ち溢れていた人がふいに奪われてしまう話とが、お互いがお互いをきっかけにして起動している、そんな物語になっている。「生きる能力」って「真面目で勤勉、頑張っている」という性質の中にあるというより、「他者と関係を構築すること」にあって、そこを疎かにしたり失敗すると生きられなくなる、そんな光景になっている。「生き上手」な人と「生き下手」な人がいる。

メタボラ(下) (朝日文庫)

メタボラ(下) (朝日文庫)