やしお

ふつうの会社員の日記です。

カフカ『訴訟』

https://bookmeter.com/reviews/80135425

イタリア人の言葉は断片的にしか聞き取れないし、大聖堂の絵は暗くて懐中電灯で照らした一部しか見えない。このエピソードはちょうどこの小説全体と同じで、細部はものすごくクリアーなのに、全体は全く分からない。「知っていそうに振る舞う人」はいても誰も全体は知らないし、細部を統合しても全体にはならない。

訴訟 (光文社古典新訳文庫)

訴訟 (光文社古典新訳文庫)