やしお

ふつうの会社員の日記です。

倉田徹、張彧暋『香港』

https://bookmeter.com/reviews/80135577

後半は2014年の反政府大規模デモ(雨傘運動)を香港人として内部から見ていた著者のリポートで、非暴力のまま3ヶ月弱も中心街を占拠してみんな普通に生活しながら参加していた特異な形態が詳細に語られてとても面白かった。香港の青年が日本を見て「これだけ民主化が進んでもデモで民意を十分に伝えない国なのか」と驚く(失望する)様子が最後に描かれていて、宮崎学が『法と掟と』の中でデモをしないことの歴史的な構造を提示していたのを思い出した。


 前半は香港の歴史や政体を詳しく紹介してくれて、近い国だけど全然知らなかった(というか知ろうとしなかった)からすごく面白かった。

香港 中国と向き合う自由都市 (岩波新書)

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