やしお

ふつうの会社員の日記です。

柄谷行人『世界史の実験』

https://bookmeter.com/reviews/82196329

実験の史学=歴史の自然実験は、よく似た複数のシステムを比較して顕著に異なる点を見出だして、違いがもたらす影響を分析するというアプローチで、ジャレド・ダイアモンド柳田国男もその方法で歴史を分析しようとしたという。柳田国男が民族や宗教や言語について膨大な考察を残していて、そこに内的な体系や一貫した方法を見いだすのが難しくて個別に狭く論じられがちだけど、柳田の思考全体を自然実験という方法から見つめ直せば、柳田が何をしたのかが位置付けられるんじゃないか、というのを具体的にやったのが本書の取組みなのだろうと思う。

世界史の実験 (岩波新書)

世界史の実験 (岩波新書)