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江戸時代初期、徳川家光と同世代で85歳まで生きた天皇の話。体制が安定する過程で天皇家と公家の実権が削がれていく。「文化・学芸の中心になれ」という新しい役目を持たされてそれを実現させていくのが、新時代を迎えた天皇ではなくその次代だというのは、ちょうど象徴天皇を実現させたのが昭和天皇ではなく平成の天皇だった、というのとちょっと似てるのかもしれない。上皇になるメリットとか、女性天皇(娘)をリリーフ登板で立てた経緯とか、将軍家・幕府との微妙な関係とか、当時の制度や制約も交えて面白かった。