やしお

ふつうの会社員の日記です。

角幡唯介『空白の五マイル』

https://bookmeter.com/reviews/85463059

極限状態まで行ってギリギリ生き残る話を見ると、人間は本当にあっさり死ぬこともあれば、しぶとく死なないこともあって、強いのか弱いのか分からなくて不思議な感じがしてくる。でもそれは運で全部決まるわけじゃなくて、経験や準備によって「より生きられる確率の高い選択肢」を重ねることで生き残ってるっていうのが本書を読むとよく分かる。高山や雪山で遭難や滑落する話はいくつか読んだことあったけど、谷を攻める話は初めて読んで、谷も恐ろしい。絶対に誰も助けてくれない空間にたった一人いる感覚を想像すると途方もない気持ちになる。