やしお

ふつうの会社員の日記です。

二井将光『薬学教室へようこそ』

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「薬物代謝酵素」の概念が知られてよかった。細胞の膜は油になじみやすい、だから薬は脂溶性になっているが、最後は排出しないとダメなので、尿に溶けやすく水溶性に変えたり、排泄されやすいよう分子量を大きくする。このプロセスが薬物代謝で、薬の形を変える働きをするのが薬物代謝酵素。薬に飲料や他の薬との飲み合わせがあることや、主作用と副作用の関係、体内に入ってから薬に変わるプロドラッグ、人種や年齢や遺伝に合わせた薬の開発等々、代謝酵素という視点で薬のあれこれが統一的に理解できるのが面白い。