やしお

ふつうの会社員の日記です。

倉山満『政争家・三木武夫』

https://bookmeter.com/reviews/92967785

非主流の少数派閥でも、上手に争点を作り出してキャスティングボートを握っていく。権力の中心でも周辺でもなく、亜周辺に留まるようにバランスを取って、最終的には首相になる。首相になるにしても色んな戦略があるんだなと思うと面白い。評価が低くても派閥の長や首相になる政治家はやっぱり普通じゃないことをしている。著者は人物や物事を単純な認識やストーリーに押し込めて、簡単に断罪・断言する。しかしそれは複雑さを正確に整理して単純化する営みとは似て非なるものだ。本書はそのため、解説としても資料的価値としても水準が低い。