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講義録ということもあり、体系的な著作ではなく、思考のプロセスを追体験するような本になっている。面白いのが、本文の中に訳者(哲学者の大森荘蔵)の補足が大量に埋め込まれていて、時々「私にはどうしてそうなるのかわからない」「それはおかしい」などのツッコミが入る。普通は訳者は透明になろうとするけれど、本書は大森の意見も含めて本書になっている。一回きりの体系が大切みたいなことが書かれていて、本書自体がその実践になっているし、いろんな示唆に満ちている。
- 作者:ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 文庫