やしお

ふつうの会社員の日記です。

村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』

https://bookmeter.com/reviews/96168634
村上春樹は、翻訳でも創作でも「文体は自分を限りなく捨ててもなお残るものを自分の文体と呼び得る」という認識と、「文章は人を次に進めなければならず、そのため文章にとって最も重要なのはリズムである」という認識を示している。本書にはレイモンド・カーヴァーポール・オースターの同じ短編を村上と柴田がそれぞれ翻訳したものが掲載されている。読み比べると、そうした認識を示す村上の方が、英文の直訳に近いような文体の雰囲気になっているのが面白い。

翻訳夜話 (文春新書)

翻訳夜話 (文春新書)