やしお

ふつうの会社員の日記です。

山田登世子『シャネル』

https://bookmeter.com/reviews/109889609
本書の解説では「ココ・シャネルの様々な特質は『嫌悪』の精神に集約される、本書はそれを証明している点で傑作」と書かれてはいるけど、本文を読むとむしろ、経済構造の転換期で、世の中のライフスタイルや価値観が変化するタイミングにちょうどハマった人という印象だった。「変な人」はどの時代にもいるが、転換期には「新しい価値観を先取りして体現するような人物」が時代に祭り上げられていく構造がある。「個人の特性」と「時代の要請」の両方が揃って初めて「偉人」が出現する(幕末維新期に偉人が多いのとか)。


 そうした人物の評伝はやっぱりスケールも大きいし面白かった。
 ウーマン・リブ、女性解放といった側面と、商業的に成功するという側面が、高度に融合している。