やしお

ふつうの会社員の日記です。

江守賢治『字と書の歴史』

https://bookmeter.com/reviews/106508591
書について基礎的な知識・概要を知りたいと思って探していたら、1967年出版の古い本だけど、本書の評判が一番良さそうだった。実際にとてもコンパクトに概説されていて、特に押さえておくべき人物・用語が網羅されていると感じた。次は「具体的にどういうポイントで書の良し悪しは評価されているのか」が言語化・解説された本を読んでみたい。

字と書の歴史

字と書の歴史

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伊東祐清『自衛隊失格』

https://bookmeter.com/reviews/106508572
読み始めた時に「辞めた組織のことを悪し様に批判する本かな?」と一瞬思ったけれど全然違った。最初に批判はしても「自分もそうなり得る」「なぜそうなってしまうのか」も考えるので読んでいて嫌な気持ちにならない。「特殊部隊のために構築した内外の人的ネットワークを組織に活かすために自分が組織を離れる」という特殊な理由で退職していて、例えば外交官だった佐藤優が逮捕された際に「インテリジェンスの掟を守る」という特殊な方針で裁判に臨んだように、自己の利益を度外視した選択を個人が取るのは(真似するのが難しい分)本当に面白い。

諏訪恭一『価値がわかる宝石図鑑』

https://bookmeter.com/reviews/106508541
同著者の姉妹編『品質がわかるジュエリーの見方』同様、写真も豊富できれい、十分な網羅性でこの1冊で宝石の価値体系を内面化できる。著者の見識が高く、思考や認識がとてもフラット・フェアなのも読んでいて気持ちがいい。著者は2016年刊行の本書で「宝石は今後(新規の採掘ではなく)還流による流通が主になるはず」という認識を示しているが、22年開催の科博の宝石展の図録の寄稿でも同様の認識を示しつつ、「強制労働や紛争につながる乱開発をやめること」にも一歩踏み込んでいて、還流の程度は思いの外進んでいないのかもしれない。