やしお

ふつうの会社員の日記です。

あり得べき別の現実

 今日、会社の帰りにホームで電車を待っていたところ、進入してきた電車が警笛を強く鳴らしながら目の前で急停車しました。ホームの前の方で線路を横断した人がいたらしい。幸い手前で電車は停車しぶつからずに済みました。
 人が横断したらしい位置からはかなり離れていたので、どんな人が渡ったのか、その後どうなったのかはわかりません。わかりませんが……


 やたらいきがっていて頭の弱そうな高校生5,6人の集団の中には、背が低くて本当は自信もない癖に、その仲間にいるつもりで髪も染めてはいるけれどその実、周りからかすかに嘲弄されているタイプの、虎の威を借るほどの意識も持っていない奴が1人はいることになっていますが、そんな彼が周りに唆されて度胸試しに横切ってはみたものの電車は停車してその先で別の乗客に取り押さえられて気づいてみれば友達はもういない。
 駅事務所に連れていかれて30代前半ほどの駅員に散々なじられて途中で泣き始めてもひたすら罵られる。謝っても泣いてもいささかも手を緩めずに罵声を浴びせ続ける駅員の暗い欲望にも、少年の出口すら見せてもらえない混乱と恐怖のどちらにも、入り込んで高速でスイッチングしながらあり得べき別の現実を想像して静かな興奮を味わっていましたが5, 6分経って電車が動き出したので乗車して帰りました。