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講演録を集めたものということもあってかなり広範。あれこれ思い込みを取り払われて楽しい。たまたま『カラマーゾフの兄弟』を読んでいる途中だったので「ドストエフスキーの幾何学」が示唆的でした。ドストエフスキーの小説がどういう意味でポリフォニックなのか、幾何学、キリスト教、資本主義とのアナロジーで語られる。これらのうちどれかを無理やり隷属させるのではなく、あくまでパラレルに同じ形を孕んでいるという指摘。このポリフォニーは、多数の視点・思想が含まれることや対話的であることからただちに成立するわけではないという指摘。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/07/05
- メディア: 文庫
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