やしお

ふつうの会社員の日記です。

岩井克人『貨幣論』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30976041

貨幣とは起源から原理的に遊離した極めていかがわしい存在であって、そのいかがわしさによって資本主義にとってかけがえのない存在である。恐慌は人々を貨幣に駆り立てる点で資本主義を危機にさらすものではいささかもなく、むしろ人々が貨幣の夢から一斉に冷めるハイパー・インフレーションによって資本主義は死ぬ……。そんな話をていねいに見ていって楽しいアトラクション。でも体系としてきれいな物を見せてもらうと、それを本人の手で転倒させてがらっと景色を変えてる姿を見たくなるわけよね。だから近著を読んでどうなってるか確認したいな。

貨幣論 (ちくま学芸文庫)

貨幣論 (ちくま学芸文庫)