やしお

ふつうの会社員の日記です。

風になりたい

 きほん風になりたいんだけど、走ると疲れる。だから、歩いて風になりたいわけ。
 そういう人たちにとって、「動く歩道」ってうそみたいに奇跡の装置。歩いてるのに、かなり風になってる。もっと早くてもいい。渋谷駅で新南改札から中央改札へと続く動く歩道は、下がぐにゃぐにゃしたゴムベルトタイプと、下が固いパレットタイプと2種類あってすごい。みなとみらいの桜木町駅からランドマークへ続く歩道は冬さむい。いいねいいね!
 逆に最悪なのはルームランナーだよ。だって走ってて疲れる上に風にならないんだよ? 悪魔の装置だよ。
 ミサイルとロケットもそうだけど、ほとんど同じような原理をつかって天国と地獄の両方を生み出すんだから、人間ってままならないね。

柄谷行人『坂口安吾と中上健次』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/24746888

柄谷行人による中上健次への追悼に感動してるからって、感傷に堕しているなんて言われたくない。小説家やその作品として語ってきたのと同じやり方で、その括弧を突然捨て去って、人間としてどういう関係を周囲や世界に、何よりこの自分に与えて存在していたかを語るという、態度の一貫性と唯一許した特別さに感動してるんだ。この人が「『天才』という言葉を、私は中上健次にだけは使いたい。」と言う時、どういう意味で使い得るのかを明らかにした上で使う一貫した態度と、この言葉を唯一中上にだけは使うことを自分に許した特別さのことだよ。

坂口安吾と中上健次 (講談社文芸文庫)

坂口安吾と中上健次 (講談社文芸文庫)

カール・マルクス『共産主義者宣言』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22390666

共産主義者って思想じゃなくて態度の問題だよってことみたいね(p36,76)。思想があるとしてもそれは、根本的にある態度(共産主義)が選択された状態から、その状況に応じた思想が出てくるのであって、固定化した思想ありきじゃないっていう。だからある思想を標榜する団体があって、それに後から個人が所属する形になると結局、それは共産主義者が戦う対象になっちゃうから共産主義とは違う。そういう意味で今までここで語られるような共産主義者の連合・団体(共産党)は存在しなかったんだ。個々人でちらほら体現してた人がいただけで。

共産主義者宣言 (平凡社ライブラリー)

共産主義者宣言 (平凡社ライブラリー)