やしお

ふつうの会社員の日記です。

粂和彦『時間の分子生物学』

http://bookmeter.com/cmt/43348287

多面的に面白くて最高。睡眠や生物時計の仕組みを解説して日常の経験と結びつけてくれる、その中で研究手法や生理的機構の基礎的な概要も教えてくれる、その上研究の世界やその喜びを具体的に見せてくれる、それでいて200pで収めるなんて新書として最高の仕事だ。例えば、渡り鳥が広い海の上でちゃんと飛べるのは、生物時計の現在時と太陽の位置で方向を決められるからで、鳥を台にくくりつけると時刻に応じて電球に対して一定の角度を保とうとする、生物時計を壊すと向きがおかしくなる、と実験方法も交えてシステムを語ってくれて楽しいんだ。

時間の分子生物学 (講談社現代新書)

時間の分子生物学 (講談社現代新書)