やしお

ふつうの会社員の日記です。

保阪正康『瀬島龍三 参謀の昭和史』

https://bookmeter.com/reviews/106508443
瀬島龍三は、山崎豊子の小説『不毛地帯』の主人公・壱岐正のモデルと言われ、山崎自身は「複数人を重ねたもの」と否定しても、一般には壱岐の人物像を重ねて瀬島を肯定的に捉えられてしまうし、本人もあえて否定しない。都合の悪い過去を曖昧にする。読後感が魚住昭渡邉恒雄 メディアと権力』に近いものがあって、超優秀でポジション構築がうまいのは分かるものの、精神の根本で誠実さに欠けるというか、歴史に裁かれるという感覚がごそっと抜けているように思えて、好きになるのが難しい。