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「キムラ〜」を読んでくすっと笑っても帯の惹句のように<ゲラゲラ笑>ったりしないのは<わたし>のせいだ。例えば<近くの「ロイホ」(つまり「ロイヤルホスト」)で>(p.42)の「」と()。「」で囲めば対象化を誘うし、()で説明が始動してしまう。ゆるい相対化、理に落ちる説明がスピードを失わせて<ゲラゲラ笑>いを遠ざける。<現代的なアホ>(p.137)の二人を把握可能なものにさせてしまう<わたし>の退屈さ。もちろん「帯の惹句=著者のたくらみ」と信じないけれど、じゃあ「著者のたくらみ」が何か私は知らない……
- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/11/05
- メディア: 文庫
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