やしお

ふつうの会社員の日記です。

阿部和重『ミステリアスセッティング』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10781456

なんかもう、びっくりしちゃった。前半で中二病みたいになってたときは笑って読んでたのに、最後は変な感動が。スズキくんの言う「別の何か」もノゾミも、そうした超越的な力を使わず、ひたすら聖なる愚者として無償の受け入れを完遂させるシオリ。子供たち→公園のジジイ→シオリと二重の入れ子構造になっているのは、フィクションのレベルにおいてもシオリの生涯を不確定な状態にして神話化させるためなのだろう。

ミステリアスセッティング

ミステリアスセッティング