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後半で「俺の帰依/ライフスタイルが絶対正しい。分からねえ奴は黙ってろ」ぐらい言ってたのに最後の最後で「でもほんとは俺だめかもしんない。もうよく分かんないからとりあえず念仏唱えておきますね」と終わるので呆然。これを長明の起伏の激しい性格と読む(p.218)より、意識的なコントラストと見た方がずっと豊かな読み方だと思う。作者と作品は距離ゼロで接している訳じゃない。前半で公を語って後半で私を語る構成や、冒頭の抽象的で美しい水の場面の直後に具体的で悲惨な火の場面を置く等々、全体から細部まで対比に拘ってるわけだし。
今年は大地震があったから方丈記の新しい解説書が出てくるかもしれない、と思ってたら本当に出てきたけど、別にたまたまでした。
解説の人の思い込みの激しさというか根拠薄げな断言にたまにうんざりはしても、地図やら写真やら図版もそれなりに入って、周辺事項や背景も割と手厚く解説してくれて満足でしたありがとう。
- 作者: 鴨長明,浅見和彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/11/09
- メディア: 文庫
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