http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16416714
初出も脱稿の年も書いてないから分かんないけど、書かれた順の収録だとすると発展が見えて面白い。鮮やかな場面を含みながらごく素直な筆致で描く「十八歳」、短い2編を挟んで、超現実的な装置を導入して思考や行動を動かしてみた「愛のような」、書くこと自体が主題の「不満足」、物語の盛上りや落ちに頼らず「十八歳」を高めた「眠りの日々」、具体的な物語から解放された「海へ」。そしてその後はより強力な物語へ。一作ずつ考えてくとこうなるよねと素直に思える進行。でもこの推移、要約した差異より貫いている部分を見られるようになりたい。
- 作者: 中上健次
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1980/01
- メディア: 文庫
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