やしお

ふつうの会社員の日記です。

阿部和重『□』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29266864

4章の9ヶ月目が四角の4番目の頂点で、最後の大団円?が5つ目の頂点=1つ目に対応してループするっていう形式性、人物名や舞台、小道具に4や四角が溢れる形式性、知(烏谷)と無知(水垣)が逆転する構成等々は普通だけど、何にびっくりって阿部和重が具体的な年の指定を放棄してるってこと。ふしぎ感を出すためというより、今まで拘泥してた部分を捨てる試みの結果じゃないかな。自分を捨てて初めて作家の名に値する訳だし。その放棄のカウンターで形式性がより強く出てくる。しかしこの作品名、名前が□すぎる作家・古井由吉にこそ相応しい。

□ しかく

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