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まさかの3層入れ子構造。「わたくし」が作中で執筆する小説「失踪」が出来事や登場人物を呼応させてたびたび入り込んでくる。そして?東綺譚の最後にわたくしが「筆を擱くべきであろう」と宣言、これもまた書かれた物だと相対化したかと思うと、さらにその後「作後贅言」として?東綺譚の外側から永井荷風が話し始める。しかもその全てが終わりを拒絶する。失踪は中絶され、?東綺譚は終了宣言後に捏造の結末の可能性を語り、作後贅言で私はもう死んでておかしくないと既に終わりは過ぎているみたいに言う。昭和11年にこんなことしてる人いたの。
- 作者: 永井荷風
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/12/27
- メディア: 文庫
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