録画したアメトーク見たらココイチの回だった。15分くらい見て、いやになって消してしまった。見ていると個人的で具体的な思い出がどんどん湧いてくるのに、テレビの人たちがとても浅いことを言ってわいわい盛り上がってて、その齟齬がつらくなってきた。
学生のときまでずっと岐阜市で生活していて、すごく身近にココイチがあった。よくいくお店が6、7店舗あるのがふつうだった。駅に近いココイチ、学校帰りに寄るココイチ、家から歩いていけるココイチ、家から車で行くときのココイチ、ブックオフに行ったときに寄るココイチ、そんな感じで子供のころから身近だった。
親が夕食でココイチ買ってきてくれるとうれしかったなあとか。小4か5のころ、ご飯の量ふつう（300g）をはじめて一人で食べきって、ああーぼく大人になったんだなあーっと思ったよなとか。中3のとき塾帰りに、仕事帰りの母親と待ち合わせてココイチで持ち帰り買ってくれたなあとか。父親が運転する横で助手席に座って、持ち帰りのカレー太ももの上に乗せててこの感じなにかに似てる、太ももだけ熱いやつ……ああ、おもらしか。と思ったなとか。
そういえばココイチでバイトしてた人とちょっとだけ付き合ってたことあるな。なんかグチとかも聞いたよな。今どうしてるんだろ。
自分が免許とって昔父親に乗せてもらってた車に今度は自分が父親乗せて、ココイチ行ったりとかしたよな。あれはかなり変な感じがしたよ。もう父親も死んじゃったけど……
そんな記憶がうわーっと一気に湧いてくる。湧きながら、今でもココイチに一人で歩いて食べにいって、毎回メニューを見て一応考えるのに結局、小学生のころから頼んでた「ロースカツ＋チーズ」にしちゃうんだ。
芸人のひとたちがそれに匹敵する強度で話してくれていたらなにも気にならなかったんだけど、どうしてもこっちの気持ちが勝ってしまうのであの軽さに耐えられなかった。個人的な記憶がつまってるって人もいなそうだったし、ココイチがただダシにされているのが見ていてつらかった。
地元紹介や学生時代、芸人紹介の回ならもっと身が詰まって地に足ついた話をしてくれるし、フリーテーマならもっと表面を滑空していくように軽やかな話をしてくれるけれど、少し前のジャイアンの回にしても（この中に本気でジャイアンのことを伝えたいって人はいない）と思ってつらくて消してしまった。どうせ見る側の受け方の問題なので、やめろだなんて言うのはお門違いだ。ただつらくて消すだけだ。
