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読中読後さわやかなのは一つに、悪意で私たちの晴海を疲れさせる者が(バックグラウンド以外では)作中に存在せず、彼がひたすら目の前の困難を解消する作業に集中でき、それをみなが支える環境が整備されているからだと思う。そうして表面をなめらかにした上で、不安定性を十分に高めた後のふいの絶対的な肯定を幾度も提示する。例えば北極出地の値当て明察、関による十五星問題の明察、正之による推挙人の羅列、等々挙げればきりがない。あざといなあと思いつつ生理的に泣いてしまうよ。あと徳川光圀、脳内イメージが完全にラオウ。
「からん、ころん」しすぎやと思う。
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 単行本
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