やしお

ふつうの会社員の日記です。

鹿島田真希『黄金の猿』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19386947

こう見えてこの作者はものすごく形式にこだわってるのね。そして例えば3部作かけてその形を多面で崩す。視点(妻→夫→誰でも無い)、関係性(夫婦→夫婦→兄妹+他人)。さらに男についても夫→夫→他人二人、女は妻→妻→妹。この妹が「普通の女」化しているため男同様に二重化が果たされている。そして男にしても「普通の女」を手掛かりに融合を図るが失敗、最終的に男も女も消え去り「みんな一匹の猿になる」と言い放って完全溶解。形を免れるためまず強く形を作るというアンビヴァレンスと闘争。それを見ないと「不思議」って印象だけ残るの。

黄金の猿

黄金の猿