http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23027202
三人の女が欲望の対象になりながら、ただアルヌー夫人だけが特別でいられたのは何だろうと思って、ロザネットもダンブルーズ夫人も額縁に入ったのがいけなかったのかもしんない。一人は肖像画を描かれて額縁に入り、もう一人は部屋に入ったとき「入口の枠はこのひとを入れるちょうど額縁のような恰好に」なって(p.218)、立ち姿を枠に収められた二人はまるでその復讐のように子供と結婚で逆にフレデリックを枠に入れ込もうとする。という妄想はともかく、読み終わって3日くらい経ったけどまだあれこれの光景が異様な豊かさで立ち騒いでくる。
- 作者: フローベール,Gustave Flaubert,生島遼一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1971/04/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (14件) を見る