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目からウロコだらけよ。風景や内面、病気、子供って当たり前に在ると思ってたら違うってさ。最初っから/昔っから在るんじゃなくて、あるタイミングで出来た概念なんだ、として具体的に成立過程も明らかにされる。そしてそれらが寄ってたかって日本近代文学を成立させる。この過程を見ないと、ほんとの意味で批評ってできないよ、と。疑い始めると果てしなくなってその先を何も話せなくなるから、普段は無意識に「在る」と仮定してるものたちだけど、実はそこを疑わないと「その先」を本当には語り得ない。無限遠の「本当」への果てない営みの一歩。
と、上のは感想というより、まだ読んでない人への紹介のつもりで書いているんですが、これじゃ本書の面白さはケほども出せていなくて、というのも「具体的に成立過程も明らかにされる」というその具体性が面白いので。
相変わらずやたらクリアーに書かれているので難しいと思わせるところもなくひたすらわくわくして読めるんですが、ただ、ちゃんと全体の構図というのかつながりのあれこれ(それこそ風景やら内面やらの発見の過程と「日本近代文学の起源」へのつながり)が整理できていないので、お絵かきでもしてスッキリさせたいと思いつつ、たぶんしない。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/10/16
- メディア: 文庫
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