ふるさと納税のしくみを確認した。忘れないようにメモする。
生まれてから22歳まで岐阜市で生活して、就職で川崎市に引っ越した。ようやく「主に税金を払う側」に回ったと思ったら、川崎・神奈川に払ってるんじゃあ、岐阜側から見たら「やってらんないぜ」みたいな感じかなと思った。(地方交付税を通して払ってはいるんだけどね。でも住民税はね。)甥っ子も岐阜市にいることだし、還元できたらいいなあ、あっ、そういえば「ふるさと納税」とかいうのあったな、と思って確認した。
概要
- ふるさと納税は「納税先を好きに決められる」という制度じゃない。「好きな市町村に寄付したら、寄付金の分だけ税金をキャッシュバックしますよ」という制度。あと別に「ふるさと」じゃなくてもいい。
税金の仕組み
- 税金のキャッシュバックは「寄付金控除」。(寄付額−2千円)分が確定申告でキャッシュバックされる。
- ただし、寄付額はいくらでもOKじゃない。年収によって変わる(年収が多いほど、全額控除が受けられる寄付金の最大額が大きくなる)。総務省のサイトに目安が載っている。→http://www.soumu.go.jp/main_content/000254926.pdf
- 確定申告はかんたん。会社で源泉徴収票をゲットしてから、3/15の締め切りまでに、必要書類を税務署に郵送するだけ。しばらくするとハガキで「お前の口座に振り込んどいたから」とお知らせがくる。必要書類は→のサイトで、順番に入力していくとpdfを作ってくれるので、印刷して、ハンコを捺して、源泉徴収票と寄付の領収書を添付すれば完成する。https://www.keisan.nta.go.jp/h25/ta_top.htm
- ちなみに控除の仕方には「所得控除」(年収から差し引いた上で税額を計算する)と、「税額控除」(計算した税額から差し引く)の2種類あるが、よほどすごい年収(高額所得者)じゃないかぎり「税額控除」の方がはるかに得。
- このへんは認定NPO法人に寄付するときと同じ。だがキャッシュバックの額が違う。税額控除の額が、認定NPO法人への寄付の場合は「(寄付額−2千円)×40%」だが、ふるさと納税は「(寄付額−2千円)×100%」。2万円寄付したら、認定NPOだと7,200円返ってくるけど、ふるさと納税だと18,000円返ってくる。ふるさと納税の方がお得、というより「税金の振り分け先をユーザーがコントロールできる」感がつよい。
プレゼントという存在
- ふるさと納税、という名前のわりに、2千円は戻ってこない(自己負担)。イメージとしては確定申告の事務手数料みたいなもの。
- 「ふるさと納税をすると、2千円損する」ことになる。自治体が「ふるさと納税してくれたら、特産品とかプレゼントしますよ!」とかやってるのは、この負担感を相殺するため。中には2千円分以上のお肉とかフルーツとかをくれる自治体もあるが、それを差っ引いてでも寄付金を集めたほうが得、という損得勘定になっている。
- 納税者側から見ると、2千円以上のプレゼントがもらえる場合は、ふるさと納税を利用するとその差額分だけ得したことになる(カネがモノになるけど)。3千円相当のお肉を2千円でゲットしたぜ! という感じ。なのでそういう自治体のプレゼントは募集が始まるとすぐ売り切れる。
- そのへんに目をつけてポータルサイト作って運用してる会社もいる。→http://www.furusato-tax.jp/
自治体によりけりな対応
- 力の入れ具合は自治体によってまちまち。特設サイトから簡単に寄付できたり、プレゼントを選べたり、クレジットカード払いに対応しているところもあれば、何もしてないところもある。(ちなみに認定NPOも同じような感じ。)
- ただ、寄付金の使途を指定できる、というのはどの自治体もできるみたいだ。(ひょっとして要件として定義されているのかもしれない。)そりゃあせっかく寄付しても、人のいない「うかいミュージアム」だとか、駅前のくそダサいゴールデン信長像とか作られるのは嫌だからね(岐阜市の話です)。
- 私の出身の岐阜市の場合、いちおうページだけは市役所のサイトの片隅に用意されていて、しかしフォームも何もなく電話番号とメールアドレスだけ置いてある。寄付したきゃてめえが連絡よこせや、というスタンスだ。もちろんプレゼントもない。てめえが2千円負担して寄付しろや。という姿勢だ。→http://www.city.gifu.lg.jp/20758.htm
- 東どなりの各務原市のプレゼントの充実っぷりとの差がすごい。→http://www.city.kakamigahara.lg.jp/appeal/7940/7943/index.html
そんなわけで、ちょっとめんどくさいので岐阜市へのふるさと納税やめちゃった。かわりに(?)今年も認定NPO法人に寄付はするから。あれは庶民でも貴族気分あじわえる(ノブレス・オブリージュみたいな)数少ない機会だからオススメだよ。