やしお

ふつうの会社員の日記です。

W杯と「アウトレイジ」と「アイアンマン2」と「告白」

 W杯のオランダ-日本戦の時間、「アイアンマン2」を観ていたので試合を見られなかった。でも同じ映画館内の別のスクリーンでパブリックビューイングをしていて代表ユニフォーム姿の人がいっぱいいてかなり近い時空間を彼らとぼくは共有した訳だから、気持ちとしてはほとんど見たのと同じと言っても過言ではないかもしれないし、過言かもしれない。


 「アイアンマン2」は「アウトレイジ」の翌日に観たという不幸を差し引いても面白くなかった。退屈な切り返しショットばかり見せられるとがっかりする。過剰さもズレもない。演出、アクション、音、何をとってもアウトレイジにはるか及ばない。前作でそれは知っていたはずだったけれど、あれから改心したかと思って……。ビートたけし小日向文世を殴るシーンを高速のカット割りで処理する正しさも、たけしが中野英雄の顔を切りつける迫力も持ち合わせてはいない。でも前作もそうだったけれど3Dの設計シーンは見ていてちょっと楽しい。
 映画自体とは関係ないけれど、主人公トニー・スタークが勝手にくるくる回り続けるステンレスの置物を目障りに思って無理やり止めようとするシーンがあるのだけれど、あれを見てからその置物が欲しくなった。とりあえず楽天市場で探しているのだけれど見つからない。「ニュートンのゆりかご」なんかはあるけれどああカチカチ鳴ってるのじゃなくて静かにくるくる回ってるやつが欲しいのに。


 アイアンマン2の翌日に「告白」を観た。やたら青い画面もスローモーションの多様もカーブミラーの歪んだ像をたびたび見せるのも、節度の無さが自覚を欠いて嫌いだけれど、徹頭徹尾それで押し通されたのでもう許しちゃおうかという気にもさせる。それにプロットは面白かったしね。ただ理に落ち過ぎてつらいところはちょっと。アウトレイジ三浦友和が常に妙な(何て言っていいのかよくわからない)顔をし続けていた――何せ決定的な場面でもとぼけた顔をしている――のを思い出すと、告白の面々は理に適いすぎた表情しかしない。
 スローモーションで思い出すのはワールドカップの中継で、ちょくちょく選手の表情をスーパースローで見せられるけど、意味・意図がよくわからないので面白い。見かけるたびに、最初は耐えられるのだけれど途中で「だからなんだよ!」と吹き出してしまう。シュートを打つ選手ならともかく、スーパースローにする効果が全くわからないものを見せられるのは面白いのでもっとやってほしい。退屈な試合なら90分間のうち30分くらいはそれを見せてもいいかもしれない。