やしお

ふつうの会社員の日記です。

2017-02-26から1日間の記事一覧

越智道雄『ワスプ(WASP)』

http://bookmeter.com/cmt/62636122 WASP:イギリス系プロテスタントが主流だったアメリカで、1860年代くらいから非WASPの流入が増えたのに対抗して反ユダヤ・反カトリックが始まって、1920年代あたりに差別のピークを迎えて、60年代にカトリック初の大統領…

加藤陽子『戦争まで』

http://bookmeter.com/cmt/62636073 大平洋戦争に突入するまでの3つの交渉、リットン報告書にまつわる交渉、日独伊三国同盟交渉、日米交渉について、当事国・者の内在的なロジックを資料を参照しつつ見ていって、最終的に非合理的な状況を選択していく様子を…

芥川龍之介『舞踏会・蜜柑』

http://bookmeter.com/cmt/62635876 1919年の1年分の短編集なのに文体も素材も時代設定も分量も終わりの切り方もかなり多彩なのは何だろうと思ったら、「芸術その他」で「危険なのは技巧ではない。技巧を駆使する小器用さなのだ。小器用さは真面目さの足りな…

玉村豊男『男子厨房学入門』

http://bookmeter.com/cmt/62635791 初心者が料理を覚えるという体裁で、実態は料理の複雑化・分化過程を見せる本。「切る」の後で「煮る」を展開するとき、レストランの語源はごった煮、ポトフもポタージュもポは鍋の意味、ちゃんこの語源は鍋、肉を焼くの…

戸田山和久『恐怖の哲学』

http://bookmeter.com/cmt/62227157 人間がどのように恐怖し得るのか、そもそも恐怖とは何で、恐怖が動物的な機能を起源に持つならなぜ虚構の作品を本気で怖がりながら逃げずに楽しめるのか、といった機序をワンステップずつ反証や例証を挙げつつ丁寧に構築…

大村平『統計の話』

http://bookmeter.com/cmt/62227377 会社で英語と統計の能力を試される機会が前触れもなくやってきて、平均と標準偏差を出すしか能のない自分が悲しくて、高専の確率統計の教科書を読み返したら、「どうして今この話をするのか」の説明があまりに無さすぎて…

大石慎三郎『将軍と側用人の政治』

https://elk.bookmeter.com/reviews/61216838 現在では柳沢吉保や田沼意次がダーティ、新井白石や松平定信がクリーンなイメージで、これは後者が悪口をしっかり書き残していた成果だったと考えるとやっぱ声がでかい方が勝つみたいな。実際には後者より前者の…

大杉一雄『日中戦争への道』

http://bookmeter.com/cmt/61562733 「最悪戦争になっても勝てる」とベースで思ってると、「なんとしても戦争回避」というより「できれば回避」になって、要所要所の判断が緩い方へ傾いて最後は日中戦争に突入という。回避があり得たいくつもの地点を指摘し…