やしお

ふつうの会社員の日記です。

宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』

https://bookmeter.com/reviews/86495152

IQは100程度ないと今の社会では生き辛いという言及があって、でもIQは真ん中が100なので、じゃあ世の中の半分の人が生き辛いってことになる。「えっ」と思うけど、実際そんな苦しみでできた世界なのかもしれない。軽度の知的障害は、普通に会話できるし、一般的なIQテストも「問題なし」、発達障害ほど医者にも世間にも理解が進んでいない。非行や犯罪を犯しても「反省が足りない」で片付けられてしまうが、実は反省以前に理解ができていない。「自己肯定感を高めよう」とかじゃなく、機能向上の訓練がまず必要だという。


 犯罪者に限らず、一般学級の下位3、4人がこのために授業についていけないのが実情だという。学校でこの種のトレーニングが導入されれば、少しでも救えるだろうという提言だった。
 それにしても著者の経歴が、京大工学部を出て建設コンサル会社で働いた後、神戸大学医学部に入って児童精神科医になって少年院で働く、ってすごい。

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

  • 作者:宮口 幸治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: 新書